音楽は世代を超えることを実感している
私は30歳だ。
彼の楽曲を初めて聴いたのはいつだったのだろうか。覚えていない。そう、覚えていないくらい私の人生がスタートした時には小田和正が、小田和正の楽曲が当たり前のように存在していた。
大人になって真剣に聴き始めたのは、毎年年末に放送される音楽番組を見てからだ。
大御所である彼が若手ミュージシャンとコラボレーションするわけだが、無論、その時の私はその若手ミュージシャン目当てで観ていた。
しかし、さっき車で聴いていたのは小田和正なのだ。
彼の声は独特なようで癖がなく、歌詞がちゃんと聴きとれる。
ピッチに狂いはなく、メロディに乗せる歌詞の嵌め方は独特である為、カーステレオから流れるそれに合わせようとしても合わない。
何度挑戦しても合わない。今度こそ!・・・合わない。
結果、何度もリピートしている。完全に癖になっている。
そしてアウトロで最高に盛り上がって終わる楽曲が多い。
完全に癖になってしまう。
私は東北に住んでいるのだが、東日本大震災の後、彼が東北に来て歌った何度かに足を運んだ。
本物の歌手を初めて見たような気がした。
音が、声が、"うた"として自分の身体と心に沁み込んだような感覚だった。
うたが心まで届くと簡単に涙が流れるんだ、そう思った。
そして、周りを見渡せば私の親とそう変わりない年代の人が涙を流したり、笑ったり、叫んだりしている。
あぁ、なんだ歳なんて関係ないんだ。いつまでもこうやって青春で居られる。もしくは、青春の日々に一瞬で帰れるんだ。
全ては音楽のおかげだ。
彼が音楽をやっていてくれてよかった。
彼と同じ時代で音楽に触れることができてよかった。
そして、時代が変わっても彼の音楽は生き続けるのだと思う。
その時、言ってやるんだ。
「私は小田和正の生歌を聴いたんだ」と。
5月4日に2018年の全国ツアーをスタートさせた。
全国21か所、48公演。私より40歳も年上。
またチケットを取って聴きに行くのだ。
(今はまだ抽選結果待ちだけれど)